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京橋税務署の、いかにも実用本位といった殺風景なコンクリート庁舎のすぐ裏手に、白壁、木造の堂々たる和風建築物があります。
ここが料亭「松志満」(まつしま)。
花街であった新富町の繁栄、そして往時の大料亭の風格を今に残す建物ですが、さてこの料亭の名が歌舞伎界の名門「成田屋」のホームページである「成田屋/市川団十郎・市川新之助 公式Webサイト」に登場します。
このサイト、成田屋に関する写真あり絵あり、歌舞伎関連のニュース、前売り情報、読み物ありと、さすが歌舞伎界の名門の「公式Webサイト」に恥じない充実ぶり。で、その中の藤巻透編「70項目の雑学便覧 団十郎事典」に「松志満」が登場します。
その昔、団十郎の父である11代団十郎が一門の弟子たちの勉強会をここで開いていた、というのです。
■荒磯会(あらいそかい)
「もう20年以上前になりますか、新富町の料亭松志満<まつしま>で父十一代目團十郎が一門の弟子達に勉強会をさせたのが始まりで、正式に第1回を名乗って致しましたのは昭和38年7月の砂防会館です。私は『勧進帳』を父に教わり初役で勤めまして、その後は女形もしなければと、『鏡獅子』の弥生では翠扇<すいせん>おばさんにすっかりお世話になって……」嬉しそうに大きな目で遠くを見て、海老蔵氏(現團十郎)が先日話してくれた。
発足時の趣旨は一応遂げたので荒磯会は昭和48年第7回をもって終る。実際は夏の公演なので、この頃歌舞伎教室などに出演することが多く、稽古期間が少なくなり、それでは初めの目的に反しますし、と亡きお父さんに似た誠実な言葉で御子息は結んだ。
歌舞伎やNHKの大河ドラマなんてトンと縁がない、という人のためにちょっと概説すると、5日(日)の夜から始まった大河ドラマ「武蔵」の役を演じるのが成田屋サイトの一方の主役である7代目市川新之助。この引用文の語り手である成田屋こと12代市川団十郎の長男というわけ。
ところでこの松志満、とても一見(いちげん)さんは足を踏み入れられないような雰囲気ですが、ランチタイムは棟続きのテーブル席で日替わり定食など(1200円程度)を供しているので、一度覗いてみては? こちらで紹介されていますのでご参考までに。
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