
往時の植村邸。手前にバロン、 奥にはパウリスタが見える。
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このところ「江戸開府400年」「開国150年」の余波とやらで、明治そして大正・昭和の風物への関心が高まっているようです。
バブルの荒波にもまれ、崩壊寸前まで行った築地・新富の街並みも、周囲をヘイゲイするように立つ、いかにも都会風というか閉鎖的な新築の高層ビルやマンション群の谷間で、どっこいしぶとく生き残っています。
昔懐かしい小売りの商店やしもた屋、それに軒の傾いたハモニカ長屋ふうの建物……おまけに、2年前の春に廃業し閉店した、あの栄屋さん(新富1丁目。本篇第4回「惜しまれつつ退場」の巻で紹介)の建物がいまだに残っているなんて、うれしいではありませんか。
で、そんな町から何年か前に消えた建物のひとつが、記念建築物として生き残り、小金井市にある「江戸東京たてもの園」で余生を晴れやかに送っているのです。
同園の目玉は、大ヒットしたアニメ「千と千尋の神隠し」に出てくる湯屋「油屋」のモデルとなった「子宝湯」。昭和4年(1929)建築という懐かしい下町の銭湯で、最近ではトンと見かけなくなった神社・仏閣を思わせる「入母屋破風(いりもやはふ)」造りの大屋根。おまけに入口のノレンをくぐって入ればペンキ絵の富士山と、レトロな感覚そのもので、若者や子どもに大人気とか。
その子宝湯の2年先輩が新富2−11にあった旧植村邸。そう、あの喫茶室「バロン」さんの裏手の空き地にあったのですね。
昭和2年(1927)竣工で、平成10年(1998)に小金井に移築・復元されました。木造3階建て(2階建て、屋根裏付)で、建物の前面(ファサード)を銅板で覆った、いわゆる「看板建築」。しかも細部の意匠に優れ、職人技が発揮された建物とされています。元は貴金属を扱うご用聞きの商売をしていたそうで、現在もこの建物の中で職人さんが伝統工芸の実演を行っているそうです。
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