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「躍金楼」(てっきんろう)の風格ある看板の話から、スクラップブックにしまい込んでいた老舗に関する古い資料のコピーを思い出しました。
嘉永2年(1849)に初代山本徳治郎が創業した山本海苔店。日本橋室町1丁目の老舗で、現在6大都市を中心に180余店におよぶ売店を有する大店です。
同店のホームページには、その2代目が「味付け海苔」を考案し、明治天皇の京都行幸時の土産物に奉納の快挙をなしとげ、宮内庁御用達となった、と書かれています。
それはともかく、この2代目はもともと山本家の養子ながら商才にたけ、神田お玉ヶ池の玄武館(千葉周作道場)で剣術を学んだ縁で山岡鉄舟の知遇を得て、山本海苔店では現在も包装のシールには鉄舟の「東海名産無双佳品」の書が使われているというのです。
なおまた3代目も鉄舟の口添えで武州比企郡大塚村(現・小川町)から迎えた、とありました。「あんぱん」やら「海苔」やら、鉄舟先生は世情に通じ、思わぬところで大活躍していたのですね。(この項、樋口修吉『老舗の履歴書1』99/05、中央公論新社刊を参照しました)
山岡鉄舟は明治21年7月19日没、53才。墓は東京・谷中の全生庵(臨済宗)にあるのですが、ここにはまた鉄舟と親交のあった落語の三遊亭円朝の墓があり、墓石には鉄舟の筆により「三遊亭円朝無舌居士」と刻まれているそうです。なお鉄舟については、研究サークルによる充実したサイトがありますので、興味のある方はそちらもどうぞ。
http://www.tessyuu.jp/archives/cat2/
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