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遅ればせながら、諸田玲子さんが次郎長一家の身内の人であることを知りましたが、その後、この楚々たるお嬢が『笠雲』(2001/9 講談社刊)について自薦の弁を述べていることを発見しました。寄り道ついでにご紹介しましょう。
「富士山相手の大喧嘩」
清水の次郎長? 知らナーイ。私より上の世代の男性諸氏は誰もが知っていて、水を向ければ打てば響くように講談や映画の次郎長の話題に花を咲かせる。
私は――といえば、歳は食っているのに若者と同じで、知らナーイのクチだった。これは、次郎長と縁戚にあたるために、親が意図的に私の耳に入れなかったせいである。ろくなもんじゃないものね、所詮ゴロつき博徒なんだから。
でも、小説を書くようになって、待てよと思い直した。(略)
早い話が博徒版「プロジェクトX」、もしくは「金八先生」の番外編、
とでも思っていただけばいい。さて、大政が威信を賭けて取り組んだ富士山麓の開墾は、
奮闘実って成功するや否や。それは読んでのお楽しみ。(講談社の『IN・POCKET』)
ま、新富ゆかりの山岡鉄舟がチラリと顔を出す諸田玲子著『笠雲』とはそんな作品です。京橋・月島両図書館にありますので、フトコロの寂しい方はどうぞご利用ください。
ところで「所詮ゴロつき博徒」とは、わかりやすい表現。でも、いくら身内ならではの謙遜とはいえ、それだとなんだかあの千葉県出身のヤクザっぽい元代議士みたいで、前回の顔写真同様、あまりにもイメージが悪いですよね。で、この際、諸田さんの次郎長がらみの他の作品については、中央区の図書館サイトの「抄録」を引用しちゃいます。
『からくり乱れ蝶』(1997/10 徳間書店刊)
女の意地と男の侠気が火花を散らす。一瞬の輝きとともに逝ったヒロイン、次郎長の2代目女房・お蝶の物語。彼女がどれほど苛烈に生き、己の運命と切り結んでいったかを描いたまったく新しい次郎長物語。
『空っ風』(1998/8 講談社刊)
明治7年、小政は親分である次郎長に匕首(あいくち)を向けた…。幕末の激動期を駆け抜けた、清水次郎長一家の喧嘩犬・小政の壮絶な生涯を、硬質な詩情あふれる文体で描く長編小説。
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