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第95回●新富町その日その日-10 建設ラッシュふたたび…



 新富2郵便局前交差点、平成通りを挟んで向かい側の「喜久屋ビル」が老朽化のため取り壊しになることになり 、夏にはクラシックな建物が姿を消すそうです。同ビルは昭和3年竣工。そもそも鎮痛薬「回効散」 で知られた森田製薬の本社ビルとして建てられたもので、 戦前からの住民にとっては「旧回効散ビル」と呼んだ方がわかりやすいようです。 銀座・築地・新富周辺ウオッチでは必ず取り上げられる名建築で、ファサード (建物の正面)は東大建築学科に引き取られ、保存されるとか。
その後の同ビルの跡地についてはまだ利用計画が明らかになっていないのですが、 近年の町の変貌から見て、店舗・事務所・共同住宅併用、12階建てのマンションでしょうか。

一方、新富篇第25回「新富町その日その日-2」で、大型建築物の建設ラッシュを “2003年問題”としてふれてから2年半あまり。今また景気の回復基調? に触発されるかたちで建設ラッシュが目立ちます。昨年から今年にかけて、 大型の共同住宅が次々と竣工または工事中なのですね。
 で、不動産市況はどうか。新聞の折り込みチラシによれば銀座3丁目、 14階建ての12階部分、57平米の1LDKの売買価格が6000万円 (別途管理費などで月に約3万円)と手頃?(まさか!) 賃貸を見ても、 銀座1丁目の13階建て某新築マンションは、約63平米の2LDKが家賃・管理費込みで38万円。 後者は礼金ナシだし、銀座のど真ん中に住むことを考えれば、某ファンドにポケットマネー 1000万円を気軽に預けられる某総裁ならずとも、勝ち組のユーザー層はけっこう多そうです。

でも、最近のアパート・マンションの賃料は「緩やかな下落傾向が続いていて、 需給にミスマッチが生じつつあるとの声も出ている」(6/17、日本経済新聞)とか。 同紙のデータでは東京23区の賃料は1平米当たり3300円。名古屋市の1790円、 大阪市の2280円、千葉市の1630円に比べれば高いものの、空室率は高く、 新富地区でも新旧のビルに「空室あり」の貼り紙が目立ちます。人口の都心回帰が続いているとはいうものの、 経営面のソロバン勘定が気になるところです。

最近の新富1・2丁目の大型建築物
  丁目/番 用 途 階 数 敷地面積(平米) 延べ床面積(平米) 建築確認
1−7 店舗・共同住宅 12階建て 270 2027 16/03
1−3 共同住宅 7階建て  83  431 17/02
2−10 共同住宅 12階建て 295 2304 17/05
2−5 事務所・共同住宅 10階建て 197 1223 17/10
2−10 共同住宅 10階建て 482 3269 17/12
1−10 共同住宅 10階建て 164  998 18/05
1−6  共同住宅 13階建て 162 1202 18/05
注:1〜4はすでに完成済み。

ところで上記7件の中に、あの「イー・ホームズ」が建築確認をした建物がありびっくりしました。 メモを取りながら思わず目を上げると、建築確認書の閲覧を担当した係員が ウインク‥‥というのは、むろん悪い冗談。公開が原則なのですが、 記載内容については守秘義務があり、勝手にそう考えた次第。でも耐震強度が不安なので、 ぼくは当分そのビルの前を避けて通ることになりそうです。いやはや。(真之介)




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