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第9回●築地で育った、やんごとなき和菓子


和菓子の老舗「ちとせ」

「宮内庁御用達」と言うと、何やらいかめしく古色蒼然(こしょくそうぜん)たる趣があります。でもサンデー毎日(2000/6/18号)が特集した「宮内庁御用達――これぞこだわりの超一流品」30選を覗いてみると、意外にも我ら庶民が平素食したり使っている身近な品が並んでいます。
 例えば文明堂のカステラ、キッコーマン醤油などはいかにも老舗の味で御用達という名にぴったりですが、何と「荻野屋の峠の釜めし」なんていうのも並んでいるのですね。軽井沢に御用邸があり、行き帰りに何度かお求めになったと言うのですが、それが並製なのか特上品があるのかは聞き漏らしました。
 で、なぜ宮内庁御用達かと言えば、和菓子の老舗として知られる築地の「ちとせ」が、何でも「宮内庁御用達」の金看板つきというのです。何がどうアリガタイのか知らぬまま食していたことを反省し、調べてみました。
 まずは、てっとり早く前記「サンデー毎日」から。

 ちとせの和菓子は江戸生まれの江戸育ち。京菓子のような見た目の派手さはないものの、素朴な形の菓子に詰め込まれた深い“味わい”の中に職人の技を感じることができる。代表作は宮内省御用達拝命記念という「東京大納言」。極上の大納言小豆を使用してつくった餡には、粘りのあるぎゅうひ糖が入っており、古くからのファンも多い。また、かつて園遊会に納められていたどら焼き風菓子「菊焼残月」や、菊と桐をあしらった砂糖菓子「お干菓子」といった品々でも皇室との縁は深く、現在は注文生産で生菓子を納めている。

 うーん、どれも美味しそうですね。ちとせは大正時代初期に東京・銀座の木挽町で創業し、関東大震災の後、築地に店舗を移したそうで、現在は本店のある築地(中央区築地1-9-4・中央区役所のすぐ裏手)と東京の空の玄関・羽田空港で支店が営業中のほか、各名店街の売店でも販売中。一度、お試しになってはいかが?


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